着物は水洗い出来る物(綿・麻・ポリエステル製)を除けば、基本的に着物の形に縫製(仕立て)をしたままでは、水洗いは出来ません。
なので、お仕立てを解かずに着物の形のままで洗う方法として、丸洗い(クリーニング)が生まれた歴史があります。
着物は水に濡れると色がにじむ場合が多い
着物の染めは、水で洗ったり濡れたりすると、色が滲み出してしまうことがあります。
特に濃い色の染めは、水に濡れると色が流れ出すことが大いにあり、赤・黒・紫などの濃い色は、特に色が流れやすい傾向があるように思います。
このお子様用のお着物は、クリーニング店さんが誤って水洗いしてしまい、赤い染めの部分から色滲みが起きてしまった事例です。
遠方のお店の方だったのですが、お客様にお返し出来る状態に何とか戻して欲しいと、遠く離れた京都のなをし屋までお越しくださいました。
広範囲の色移りは、縫製を解く必要がある
このお着物の場合、水洗いをしたことで色滲みが広範囲に及んでいたので、ご了承を得てから、一旦お仕立てを解いて反物の状態にして、染み抜き後にお仕立て直しを行いました。
このような箇所が全体的にあったので、一つ一つ色滲みを修正し、お客様にお返し出来る状態に直しました。
【クリーニング店さんを批判する意図の記事ではありません。あくまで染み抜き事例の一つとして紹介している記事です】
【参考価格】お仕立て直しも含む全体的な作業となるので、お品物を拝見してのお見積りとなります。
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)