製造されてからの年数が、アンティークまではいかないけれども、それなりの年代物になっている着物というのがあります。

具体的にいうと、昭和の時代に作られた物ですね。

昭和と言っても、バブルの時代あたりですと、せいぜい今から40年ほど前なので、着物としてはまだまだ年代物というカテゴリーには入らないのですが、それよりも前の時代になりますと、60年、70年と経った物もありますので、アンティークの部類ではないけれども、工業製品としては結構な年月が経った年代物のお着物というのは意外と多く残されています。

特に高度経済成長期は、着物の生産数が最大になった時期なので、その頃に作られた着物はまだまだ市場やタンスの中にあると思われます。

年代物の着物は生地の劣化の確認が必要

絹という繊維は比較的丈夫な部類の繊維なのですが、作られてから何十年という年月が経った着物は、やはりそれなりに劣化しているものであり、加えてシミの部分はシミになってからの年月も経っているので、シミによる悪影響で生地が弱っているということも少なくありません。

ですので、やはり作られてからある程度年数が経った着物の古いシミの染み抜きを行う場合は、シミの状態だけではなく生地の状態の確認もしながら作業を行う必要があります。

 

昭和時代の振袖の古いシミ 染み抜き・クリーニング前

 

昭和の高度成長期あたりの時代に作られたと思われる振袖の裾の柄部分に、濃い目の古い変色シミが点々と出ております。

着物は古ければ古いほど、生地が劣化している可能性が高くなる

先にお話ししたように、着物は古くなればなるほど生地が劣化している可能性が高くなるので、特に生地に負担がかかる古いシミの染み抜き作業においては、より慎重に作業を行う必要があります。

この辺りの見極めが出来ずにいつもと同じように染み抜き作業を行うと、シミが落ちたと思ったら生地まで破損していたということに繋がります。

 

昭和時代の振袖の古いシミ 染み抜き・クリーニング後

 

時間はかかりましたが、生地を傷めずに綺麗に直すことが出来ました。

【参考価格】画像部分のシミ抜き 10,000円程度(税別)(全体の染み抜きの料金はお見積りとなります)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)

着物丸洗い・カビ取り・汗抜きなどの料金表