毎年、成人式が終わった後の2月初め辺りから3月中旬辺りまでは、卒園・卒業・入園・入学式に着るための着物のお手入れや着た後のメンテナンスのためのご依頼が増える時期なのですが、いざ本番を迎える前に着物を点検したら、思い寄らないシミがたくさんあって、さあ大変!というご相談もちょくちょくいただきます。
古いシミの数が多いと時間がかかるので、早めに点検を
着物のお手入れを依頼された方はあまりご存知ないと思うのですが、着物の古いシミは非常に手間がかかる作業なので、着用日のギリギリ前になってシミに気づいても、着用日に間に合うように直してくれるお店は、ほぼ存在しません。
その理由として、着物の染み抜きやクリーニングの専門店を謳っているお店の多くは、染み抜き作業は外注に丸投げしているからというのがあります。
何故作業を外注に丸投げしていると時間がかかるのか?というと、自社で染み抜きやクリーニングをしていないので、急ぎの仕上がりを依頼しても、シミが落とせるかどうかや料金がどれくらいになるかの見積もりなど、外注先との双方向のやり取りなどで時間がかかってしまうので、本当に直せるかどうか?も含めて、迅速に回答することが不可能だからなんですね。
なをし屋では、本物の職人が承らさせていただいておりますので、実際にお品物を拝見させていただいてはもちろんのこと、LINEやメールで画像を見せていただくだけでもおおよその診断やお見積りが可能となっております。
そして今回の事例は、外注に丸投げでは絶対に不可能と思われる、超お急ぎでのご依頼の事例です。
ご依頼者様は、お子さんが通う幼稚園(保育園?)の卒園式を間近に控えたある日、突如保護者代表として選ばれることになったそうなんですが、実家に置いておいた着物を確認したところ、過去に着た際のシミが全体に出ており、とても着て人前に立つのは難しい状態で、慌てて当店をネットで探し出していただき、ご相談をいただきました。
お着物を実際に拝見させていただいたところ、このような変色した古いシミが全体的にある状態でした。
ご依頼者様には、「古いシミは手間と時間がかかるので、ご着用日に間に合わせるためには基本的に目立つシミを中心に染み抜きする仕上がりであること・変色が濃いシミもあるので、薄っすら残る部分もあること」をお伝えさせえていただき、承らさせていただきました。
なをし屋では、お急ぎのご依頼も承っております
今回のような超お急ぎでのご依頼の場合、他店様ではまず断られてしまうことが多いのですが、なをし屋では、物理的に不可能な場合もございますが、出来るだけご着用に間に合うように仕上げさせていただくご依頼も承らさせていただいております。
ご着用日が迫っていてお困りの方や、他店様で断られてしまったという方は、まずはお気軽にご相談いただければと思います。
濃い変色シミでしたが、生地を傷めないように慎重に染み抜きを行い、出来るだけ目立たない状態に仕上げさせていただき、ご依頼者様のご着用日にも間に合わせることが出来ました。
【参考価格】画像部分のシミ抜き 10,000円程度(税別)(全体の染み抜きはお見積りとなります)
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)