帽子全般の話になりますが、頭に被る物ですので、当たり前ですが日中に屋外に居る際は最も太陽光の紫外線に曝されることになります。

紫外線に曝されるということは、帽子に限らず染色された物は褪色することが非常に多くなります。

紫外線の色を褪せさせる力はかなり強い

例えば、着物の話になりますが、着物を着ていてほんの数時間屋外にいただけで、紫外線に曝された部分が色褪せてしまうということは珍しいことではありません。

特に紫外線に弱い青系の染料が使われている染め色(青・緑・紫・グレーなど)の場合、陽射しが強い日などはほんのわずかな時間でも色が褪せてしまうことがあります。

色が褪せた物は色修正で直すしかないのですが、範囲が広い場合は全体的な染め直しが必要になりますし、染め直しは生地の素材や柄の有無などで出来ない場合もあるので、直せる色褪せなのか?どのような方法で直すのか?は、実際にお品物を拝見してからの診断が必要となります。

 

野球帽の色褪せの特殊染色 修正前

 

いわゆる野球帽の形の帽子ですが、ご依頼者様のお話によりますと、お気に入りの帽子ということで、長年被っておられたことで、気がつけばかなりの色褪せが起こっていたそうです。

帽子の場合は色落ちしない特殊な染色で直す

帽子は頭に被るもので、暑い季節などは汗をかいて濡れることもありますので、一般的な生地を染める染料で修正した場合、染料の定着度(堅牢度)が不足していて、汗などで濡れたことによって修正した染料が流れ出す危険性が高くなります。

ですので、帽子の色褪せを染色で直す場合は、一般的な染料ではなく特殊な樹脂の配合された染料での色修正となります。

この特殊な樹脂が配合された染料は、分類すればいわゆる顔料という色に分類されるのですが、多くの方が知っているアクリル顔料などのように、乾いてもカチカチにはなりません。

それでも、やはり樹脂が入っておりますので、色を重ねていくと若干の生地の硬さや表面のザラつき感などが残ります。

そのようなことから、帽子類の色褪せを修正する場合は、そのような特殊な染料を使っての修正になること、修正後は生地の若干の硬さやザラつき感などが残るのは避けられないことを事前にお話して、ご納得いただけた場合にのみご依頼を承っております。

 

野球帽の色褪せの特殊染色 修正後

 

全体的に特殊な染料で色褪せを修正いたしましたので、手に取ると若干の生地のザラつき感などがありますが、硬さを感じるほどの変化ではありませんので、ご使用には問題ない仕上がりとなっているかと思います。

野球帽などの帽子は色褪せがつきものですが、このように特殊な色修正で直せる場合も多いので、お気に入りの帽子が色褪せて困っておられる方は、ぜひ一度、なをし屋にご相談くださいませ。

【参考価格】画像の野球帽の特殊色修正 15,000円程度(税別)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)

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