絞りという染めの技法があります。
生地を糸で括って染まらない部分を作ったり形を作って染めたりして、柄や全体の染模様を作ります。
そんな絞り染めですが、着物の染み抜きやクリーニングの専門店に染み抜きを依頼しても断られてしまうことも少なくないようです。
絞り染めは染み抜きが困難なのか？
絞りで染めた生地は、糸で括って染めた部分が、凹凸になっています。
これを絞りの「シボ」というのですが、このシボは水に濡らすと多少の縮みや伸びが起こるので、シミ抜き作業を嫌がるお店も多いようです。
また、絞りの染め色（黒や濃い赤など）によっては、染料の定着度が弱くてシミ抜きで水を使うと色が滲んでしまう物もあり、シミ抜き作業自体が困難な場合もあります。
そのようなことから、絞り染めというだけで「あー、絞りはシミ抜き出来ません」と断ってしまうお店もあるようで、当店にも「絞りはシミ抜き出来ないと言われたんですが、直せますか？」というお問い合わせが時々あります。
他店様で断られた絞り染のシミの染み抜きも承ります
先にお話したように、絞り染めの着物はシミ抜き作業が難しいものもあり、通常の染めに比べて手間がかかるのですが、全く何も出来ないということは稀ですので、他店様で修復不可能と診断された場合でも、まずはご相談いただければと思います。
絞り染めの柄の中に、黄変シミがポツポツと出ております。このシミの原因は、カビによるものです。
カビは、発生したときは白いカビなのですが、カビを落とさずに年月が経つと、黄変シミへと変化していきます。
ですので、カビは発生してすぐにしっかりとカビ落としをしておくことが肝心です。
出来る限り絞りのシボを伸ばさないようにシミ抜きして、綺麗にいたしました。
【参考価格】画像部分の染み抜き 10,000円程度（税別）
（※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。）
