黒留袖は第一礼装（格が一番上とされる着物）で、基本的に結婚式にしか着ない着物なので、その時が来るまでは何年何十年と仕舞ったままになっていることが着物でもあります。
保管の期間が長いほど、シミは濃くなりやすい
仕舞ったままの期間が長いということは、風通しなどを行わないので、湿気が溜まったままでになることでカビが生えやすくなり、カビが生えた部分をそのままにして適切なお手入れを行わないと、変色したシミになります。
変色したシミは、長く放置すればするほど濃い色に変化し、変化の過程で生地へのダメージが蓄積されるので、その分、洗いや染み抜き作業で生地の破損等が起こるリスクが高くなります。
濃い変色シミは、慎重に染み抜きを行う必要がある
黒留袖の柄部分にカビシミが発生し、長い年月の間にかなり濃い変色シミになっています。
これぐらい濃い変色シミになっていると、生地へのダメージも相当なものになっているので、慎重に染み抜きを行わないと、すぐに生地の破れなどが起こってしまいます。
ですので、強い染み抜きを一気に行ってシミを抜くのではなく、弱めの染み抜きを繰り返して出来るだけ生地へ負荷をかけないようにシミを抜いていく方法が必要になります（この技術は、当店独自の染み抜き方法になります）
時間がかかる作業でしたが、柄部分の濃い変色シミを生地へ負担を減らしながら徐々に徐々に薄くしていき、そのご柄修正（上から柄を描き直す手法）で柄を元の状態に戻しました。
濃い変色シミは、他店様では断られてしまうことも多いようですが、なをし屋ではかなりの確率で直しておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
【参考価格】画像部分のシミ抜き 15,000円程度（税別）
（※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。）
