戦前と違い、ほぼ全ての方が普段着る衣類の洋装化が進んだ現代、お着物を着る機会は何かのイベントやお祝い事などが主となりますので、着物を着慣れている方のほうが少ないのが現実です。
着慣れていない物を着た時は、普段よりも立ち振舞いが変わってくるのですが、飲食などの普段からでも衣服に汚れが付いてしまう可能性が高い行動の時は、やはり慣れない分、普段以上に汚してしまうことが多いようです。
普段から着慣れていない着物は汚しやすい
なをし屋でも、お着物を着ていてお食事をされた際に汚してしまったというご相談は非常に多いのですが、当たり前ですが、そのお食事の内容によって、付く汚れの種類は様々です。
例えば、和食を召し上がっておられたら、お吸い物や醤油のシミが付いたり、中華であれば、油たっぷりの汁のシミが付いたり、デザートを召し上がったら、いちごのソースが付いてしまったり…
飲食のシミは、本当に様々な種類のシミが付きます。
シミの種類が様々ということは、染み抜き方法も様々になるということで、そういった様々なシミを綺麗に落とすには、長年の経験と日々の勉強が必要になります。
このお着物に付いたシミは、フランス料理のソースのシミだということでした。
フランス料理は、ソースにバターや調味料などをたっぷり使う傾向があり、ソースのシミが付いた場合、シミが濃い場合がほとんどです。
また、肉料理であれば肉汁が含まれておりますし、魚料理であれば、魚汁?が含まれております。
肉料理のシミはタンパク質が含まれている
特に肉汁の場合は、肉のタンパク質が含まれておりますので、比較的落ちにくいシミとなります。
タンパク質のシミは、付いてすぐであればキレイに落とせる場合がほとんどですが、時間が経ったり熱を加えたりすると、非常に落ちにくいシミに変化してしまうので、タンパク質を含んだ(と思われる)シミは、可能な限り早く染み抜きされた方が良いかと思います。
今回は、油のシミを落とす油性染み抜き、水性のシミを落とす水性染み抜き、タンパク質を落とす染み抜きを行い、綺麗にシミを落とすことが出来ました。
【参考価格】画像部分のシミの染み抜き 6,000円程度(税別)
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)