着物を染めている色(染料)には、紫外線に対して強い(色褪せしにくい)ものと弱い(色褪せしやすい)ものがあります。
これを染料の堅牢度(けんろうど)という数値で測ることも出来るそうですが、染めた製品に表示が義務付けられているわけではないので、製品になってしまうと分かりません。
ただ、紫外線で色が飛びやすい色目というのはあり、それは主に青系、緑系、紫系などの、青を含んだ色目です。
青い色の衣類は紫外線で褪色・変色しやすい
青を含んでいればその色の青が紫外線で飛ぶ(褪色することを、業界で飛ぶと呼んでいます)ので、青みががったグレーや、青みが入っているピンクなんかも、含まれている青色が飛びます。
青が飛べばその青を足してやれば元に戻りそうなもんなんですが、そこはそう単純な話ではなく、紫外線で褪色した部分の多くは、くすんだ色目に褪色していることが多く、その部分に綺麗な青を足しても元の綺麗な色にはならないことが多いのです。
紫外線による日焼けで、見事に青みが飛んで褪色しています。
色褪せの修正は、黄ばみを抑える修正が必要
このお着物の場合も、褪色部分がくすんでいるので、単純に綺麗な青を足しても元には戻りません。
黄ばみを抑えつつ綺麗な緑色を出すために、複数の染料を微妙な割合で混ぜ合わせ、適切な色を作ります。
何とかここまでは直せます。
【参考価格】お品物の色焼け範囲などによって様々なので、まずはお問い合わせください
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)