藍染めの着物や帯は、その特殊な染め方ゆえに、比較的色落ちや色移りが起こりやすい傾向があります。
藍は英語で言うとインディゴとなりますが、皆さんにも身近な物であるジーンズなどのデニム生地を藍色に染めたのが、インディゴブルーと呼ばれるものです。
おろしたてのデニム製品を他の物と一緒に洗濯して、デニムの藍色が移ってしまったという経験は、多くの方にある経験かと思います。
着物の藍とデニムのインディゴは、天然の物と合成した物という違いはあっても、化学的に大きな括りでは同じものですので、藍の色移りも、デニムの色移りと同じ現象が起きているということです。
藍染めは摩擦で生地への色移りが起こりやすい
藍染めは他の生地に擦れると摩擦で剥がれた染料が他の生地に移りやすい性質があり、藍染めのお着物は素敵なのですが、着用には気をつける必要がある染め物でもあります。
特に藍染めの着物を着て白地などの薄い色の帯を締めると、締めた部分が着物と帯の間で擦れて、藍染めの色が移ってしまうことがよくあります。
この、ひげ紬の帯も、藍染めのお着物に締めていて、気がつけば着物の生地に擦れた部分は全て藍の色が移っていたそうです。
藍染めは染料の堅牢度が低い
藍染めは通常の染料での染めと違い、その性質から生地への定着度(堅牢度)が低いので、このような色移りが起こることがよくあります
また、藍の染料の性質上、通常の染料と同じ染み抜き方法でシミ抜きを行うと、逆にシミが落ちにくくなるので、その辺りは注意が必要なシミ抜き事例となります。
そのシミに合ったシミ抜き方法を熟知している専門店ならではの染み抜きで、跡が残らず落とすことが出来ました。
【参考価格】画像部分のシミの染み抜き 8,000円程度(税別)
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)