着物の柄を描く方法として、カチン染めという技法があります。
カチンというのは、要は墨のことで、カチンの柄というのは墨で描いた柄ということになります。
辻が花という種類の文様の着物がありますが、辻が花の柄の多くはカチンで描かれています。
墨は落ちにくいが、染み抜きで柄は薄くなる
墨の類は、シミとなった場合は非常に厄介で落ちにくいシミとなるのですが、柄として描かれている場合、染み抜き作業で薄くなってしまう場合があります。
ですので、カチンで描かれた柄がある部分にシミがあった場合、染み抜きでカチンの柄が薄くなってしまわないように気をつける必要があります。
カチンで柄が描かれた辻が花の着物に、原因不明の変色シミが出ています。
シミを抜く際に、柄への影響を考慮する必要がある
黄ばみのシミを抜くこと自体は他の染めの着物と同じ方法なのですが、カチンで描かれた柄があるので、染み抜き及び洗浄作業において、墨で描いた柄が薄くなったり消えたりしないように作業を行う必要があります。
そのあたりを深く考えずに強い洗剤を使って染み抜きしたりすると、洗浄後に乾かしたら柄が薄くなっていた・・・という冷や汗ものの失敗になる可能性があります。
慎重に作業を行ったので、カチンで描かれた柄に影響することなくシミだけを抜くことが出来ました。
【参考価格】画像部分の染み抜き 10,000円程度(税別)
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)