振袖は主に成人式に着る着物なので、成人式が済んでしまうと、タンスの中にしまったままということが多い着物の一つです。
ご友人やご親族の結婚式で着ることもありますが、それでも振袖は未婚の女性の礼装なので、やはりしまったままの期間が長くなる傾向があります。
保管期間が長いということは、シミは最大値に変色している
着物に限らずですが、衣類にシミが付いた場合、シミ抜きせずに時間が経つほどに変色の色は濃くなっていきます。
もちろん、行き着くところまで行くと変色は止まるのですが、何もせずに放っておいた時間が長いと、シミの変色は最大値に達しています。
つまりは、シミは放っておく期間が長いほど、濃い変色シミへと変化していきます。
作られてからそれなりの年月が経っているお振袖の袖に、広範囲に変色シミが出ています。
水分を含んだシミは、流れた形のシミになる
このように何かが流れたようなシミになっている場合、何かの液体(例えばお酒)が生地の上を流れて、拡がったシミになっていると思われます。
このようにシミが拡がっている場合、染み抜きの範囲が大きくなるので、染み抜き作業もかなり手間がかかる作業となります。
シミが大きくても、大きな範囲を一気に染み抜きするのではなく、いくつかのエリアに分けて染み抜きしていきます。
地が白でシミも比較的濃いので、多少の色ムラはどうしても残りますが、かなり目立たない状態に直すことが出来ました。
【参考価格】画像部分の染み抜き 20,000円程度(税別)
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)