洗濯で他の衣類などから色移りすることがありますが、洗濯以外でも、それほど多いケースではありませんが、色移りが起こることがあります。

バッグなどから色移りが起こることがある

例えばバッグからの色移りというのは、洗濯以外での色移りの中でも、ご相談件数が比較的上位のご相談事例になります。

なぜバッグからの色移りが多いかというと、革製品や合成皮革の製品は劣化してくると染色が剥がれやすくなり、その染色が染料ではなく顔料系のものの場合、その剥がれた顔料の樹脂のネバつきによって、衣類との摩擦時に色が移ってしまうことがあります。

特に合成皮革は、経年劣化で加水分解という状態になり、触っただけでベタベタになることがあり、そのような状態のバッグなどを使用すると、衣類などにいとも簡単に色移りが起こりえます。

この加水分解を起こした合成皮革は、物質が変化して分解を起こしているので、元に戻すことが出来ません。

一時的にベタつきを抑える方法もなくないのですが、本当に一時的な対処療法なので、あまりオススメいたしません。

ですので、しまっておいたバッグなどの合成皮革製品がベタベタしていたら、製品としての寿命ですので、使用しないようにしてください。

 

スカート バッグからの色移り 染み抜き・クリーニング前

 

このスカートを履いている時に青いバッグを膝の上に乗せていたら、いつの間にかバッグの色が移っていたそうです。

実際にその原因となったバッグも見せていただいたのですが、触って分かるほどのベタつきなどは出ておりませんでしたので、今回の色移りの原因は不明です。

バッグを拝見して分かったのですが、この移った色は顔料の色移りでした。

顔料の色移りは、理屈ではペンキを落とす方法が必要

顔料というのは、乱暴な言い方をすればペンキのようなもので、今回このスカートに付いた色移りのシミも、ある意味ペンキのシミが付いているような状態でした。

今回このシミを落とす際、少し特殊な作業方法で染み抜きいたしました。

詳細は企業秘密というやつになりますが、最新のシミ抜き方法でも落とせませんし、古くからのシミ抜き方法でも落とせないシミです。

当店ならではの、三百年の伝統と最新の技術を融合させた独自の染み抜き技術だから落とすことが出来ました。

 

スカート バッグからの色移り 染み抜き・クリーニング後

 

ほぼペンキのシミのような色移りのシミでしたが、跡形もなく綺麗に落とすことが出来ました。

【参考価格】画像部分の染み抜き 5,000円程度(税別)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)