振袖の袖に付いた謎の変色シミ

付いただけのシミの場合、シミの原因は分かりやすいです。

ソースやケチャップやカレーやボールペインクとか… そういう見た目にも何かが分かるシミの場合、シミの原因も適切な染み抜き方法も、染み抜きのプロであれば診断を下すことはそれほど難しいことでありません。

付いただけではなく、変化(変色・黄変)したシミにも、当たり前ですがシミになった原因があるのですが、シミを付けた人以外は、その原因が何だったのか?を「正確」に診断するのは困難です。

私を含めた染み抜きのプロは、シミの色や硬さや透明感の有無などで、おそらくこういう物が付いていて変化したシミだろう…ということを「おおよそ」の診断を下すことは可能なのですが、シミを付けた現場を見ていない以上、あくまで経験などから導き出す推論でしかないので、染み抜き方法なども最終的には自身の経験や知識などから最適な方法を結論づけるしかありません。

 

振袖の袖に付いた謎の変色シミ 染み抜き前

 

振袖の袖部分に、濃く変色したシミが付いております。

先ほどお話ししたように、変化してしまったシミの場合、元の原因が何だったのか?を正確に見極めることは非常に困難です。

このシミを見て触って分かることは、「シミは変色している状態」「硬さはあまり感じないので、タンパク質はあまり含んでいない」「シミの形が何かが拡がって付いたように見えるから、元は液体状(酒、スープなど)のシミだった可能性が高い」 といったところです。

このように、推測を含めてある程度絞り込むことは出来ても、真実に辿り着いているか?を判断出来るわけではないので、変色・黄変したシミが染み抜き屋は落とせてクリーニング店で落ちずに返ってくることが多いのは、染み抜きを生業としている職人とそれ以外の人の、その辺りの圧倒的な経験の差などからでもあります。

 

振袖の袖に付いた謎の変色シミ後

 

何が原因のシミだったのか? 正確なことはやはり分かりませんでしたが、染み抜きのプロとしての経験と知識と技術で跡形もなく変色シミを落とすことが出来ました。

【参考価格】画像部分の変色シミの染み抜き 10,000円程度(税別)
※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)