着物の衿に付着したヘアマニキュアのシミ

髪の毛を染めるものに、大まかに分けるとヘアカラーとヘアマニキュアがあるのですが、今回は着物の衿に付いたヘアマニキュアの染み抜きのお話。

ヘアカラーとヘアマニキュアの違いについてですが、大きな違いは、ヘアカラーが髪の毛の色を化学的に脱色及び染色をしているのに対し、ヘアマニキュアは髪の毛を色素でコーティングするので、落とせば元の髪の毛に戻るという違いがあります。

この違いは、染み抜きにおいても非常に大きな違いとなります。

どういうことかというと、先にお話したヘアカラーとヘアマニキュアの違いが、そのままシミの難易度に直結するからです。

ヘアカラーの場合、化学反応で髪の毛をブリーチして染色する薬品が使われておりますので、それが着物や洋服の生地に付くと、化学反応で生地を強力に染めてしまうんですね。

ですので、ヘアカラーのシミは洗剤を付けて洗う程度では落ちないので、薬品を使った化学反応でヘアカラーの色素を分解して落とさないとならないので、生地の色や素材などによっては完全に落とせない場合も出てきます。

一方、ヘアマニキュアのシミは、色素ではありますが生地そのものを変化させている訳ではないので、ヘアカラーに比べると（ココ大事）まだ落としやすいシミとなります。

とはいえ、ヘアカラーよりも落としやすいと言っても、決して簡単なシミではなく、中途半端な染み抜きをしたりすると非常に落ちにくいシミに変化したりしますので、自己流の染み抜きを試したりすることは避けてください。

前置きが長くなりましたが、着物の衿にヘアマニキュアが付いています。

このお品物の場合、付いただけの状態で何もせずにお任せいただいたため、適切な染み抜き処理で綺麗に落とすことが出来ました。

シミや汚れは、自己流の染み抜きを試みたりすると余計に落ちにくいシミに変化することがほとんどなので、餅は餅屋ということで、シミや汚れで困った時は、染み抜きのプロにお任せいただければと思います。

【参考価格】画像部分のみの染み抜き 10,000円程度（税別）
（※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。）