絞り染め祝着の濃い変色シミ
祝着(いわいぎ)という子供用の着物があります。
産着、掛け着、のしめ、一つ身などと呼ばれる祝着は、お宮参りと主に女の子の三歳参りもしくは男の子の五歳参りの時に使います。
サイズも小さく、使う際の年齢も基本的に決まっているため、その行事(お宮参りや七五三)が終わればそのまま何十年としまったままということが非常に多い着物でもありますので、定期的な虫干しなどを行っていないとカビが生えることが多く、また着た際に付いたシミが変化しても気づかないので、次に使うためにタンスなどから出したらシミが濃く変色していたということも多い着物になります。
絞り染めの祝着に、保管中に濃くなった変色シミが出ております。
白地の部分のシミについては、色抜けはそれほど気にしなくて良いのですが、染めの柄の部分のシミについては、柄の色抜け及び染み抜き作業時の色にじみなどに注意して染み抜きする必要があります。
また、このような祝着の裏地(胴裏)は化学繊維(アセテートもしくはポリエステル)の生地であることがほとんどですので、染み抜き作業の際に熱をかけ過ぎたり強い薬品を安易に使ったりすると、裏地が溶けてしまう場合もあります。
そうならないように染み抜きをするのがプロの仕事ですが、中々に手間のかかる作業となります。
かなり濃いシミでしたが、手間と時間をかけて適切な染み抜きを行うことで、綺麗に直せたかと思います。
【参考価格】画像部分の染み抜き 20,000円程度(税別)
(※注※染み抜きは生地の素材・色合い、シミの濃さなどによって金額が変わってきます。あくまで一例の参考価格としてお考えください。クリーニングその他加工は別途料金がかかります。)